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アマチュア無線 リモート運用

リモート運用準備PREPARATION

リモート運用の検討課題

 
 コロナ禍でテレワークでパソコンなどをリモート運用することは時代にマッチしているかと思いますが、 検討してクリアしなければならない課題は結構あります。検討課題を列挙してみました。

・リモート運用するリグの検討
・運用するソフトウェアの検討
・ネットワーク構築の検討
・リモート運用するための変更申請の検討
・無線機の電源をON/OFFする方式の検討
・パソコンをネットワーク経由で起動する検討
・パソコンをリモート操作するための検討
1.リモート運用するリグの検討
 古いリグでは、リモート運用が難しいので、手持ちの比較的新しいリグで検討することにしました。その中で、IC-7300、IC-9700、IC-705に絞ってネットワークを構築してみることにしました。
2.運用するソフトウェアの検討
 今回は、全てICOMの無線機にしたので、RS-BA1というソフトウェアを導入することにしました。
3.ネットワーク構築の検討
 ちなみに長野の実家にインターネット環境はありません。まずは、SIMフリー4Gルータと東京のインターネット環境でリモート運用環境を構築してみることにしました。
4.リモート運用するための変更申請の検討
 RS-BA1というソフトウェアを購入すると変更申請のためのフォーマットが付属していました。詳しくは、下の無線局免許状の変更申請をご参照ください。
5.無線機の電源をON/OFFする方式の検討
 Tapoのスマートコンセントを購入してスマホから電源をON/OFFすることにしました。
6.パソコンをネットワーク経由で起動する検討
 NEC Aterm WF1200HP2のPCリモート起動を使用することにしました。
 パソコンが、WoL機能(AMD Magic Packet Format)に対応している必要があります。
7.パソコンをリモート操作するための検討
 Gmailアドレスがあれば簡単に使用できる、Chrom Remote Desktopを導入することにしました。
 WoL機能でパソコンが起動した後、Chrom Remote Desktopが動作するように設定する必要があります。

SIMフリー4GルーターWN-CS300FRで試験実施


 長野の実家にインターネット環境がないので、格安SIMを購入してリモート運用出来ないかテストします。まず、Amazonでアイ・オー・データのWN-CS300FRを購入しました。(SIMフリー4Gルータで1番人気でした。)SIMはmine Dタイプ(5GB)とイプシムのSIM(3GB)を購入してテストしました。(月々2K以内を想定)
 WN-CS300FR配下のネットーワーク構成は以下のようにしました。宅内から操作する場合は、操作所@で行います。また、インターネット経由で操作する場合は、操作所Aから行います。

・IC-705は、WiFi経由で接続します。
・操作所のパソコンには、RS-BA1のクライアントソフトをインストールして接続します。

 SIMフリー4G(LTE)ルーターWN-CS300FRは、WiFiまたは有線LANで接続が出来ます。通常のWiFiルータは、バッテリーで動作しますが、このルーターにはバッテリーは搭載されておりません。Amazonで約14Kで購入しました。

 WN-CS300FRルーターにSIMを実装して電源を入れます。パソコンからWiFi接続しWEB画面を開くとSIMの選択画面が出てきます。ここで実装したSIMを選択し、しばらくするとインターネットに接続出来ます。

 WN-CS300FRルーターでポートフォワーディングし、IC-705にアクセスするための設定です。

 mineo Dタイプは、宅内送信でリモート運用するには問題ありませんでしたが、固定IPアドレスを追加出来ないため、インターネット経由でWN-CS300FRルーター内の機器に接続出来ないことが分かりました。
このため、残容量が0MBになるまで使い切って解約することにしました。mineo Dタイプは、解約後、SIMカードの返却が必要となります。ご注意ください。

 mineoのSIMがダメならイプシムのSIMはどうかと思い、固定IPアドレス付きのイプシムのSIMを購入してテストしてみました。インターネット経由でWN-CS300FRルーター内の機器に接続し、リモート運用することが出来ました。1日1時間ぐらい使用して3日ぐらい経過すると突然リモート運用が出来なくなりました。
 調べてみると3日で800MBを消費すると、通信速度が200Kbpsに速度制限がかかることが分かりました。速度制限がかかるとマイページの下図のデータ通信利用量が赤色表示になります。

 1時間のリモート運用で約300MB消費するので運用に耐え切れないと判断し解約することにしました。速度制限がかかり全て使い切ることが出来なかったのが心残りです。
 このSIMも解約後、SIMカードの返却が必要となります。ご注意ください。
 

■ インターネット回線導入の結論■
 月々のランニングコストが安くなると思い格安SIMでテストしましたが、いろいろと問題があるので、長野の実家には、JANIS光で光回線を引くことに決定しました。
 JANIS光では、オプションで固定IPアドレスサービスが追加出来るのと今だけ工事代金と事務手数料が無料でした。但し、2年間は解約出来ません。月々のランニングコストは、約6Kぐらいと予定より高めとなりましたが、24時間使えるので「よし」としました。


自宅マンションのインターネット環境の確認


 東京の自宅マンションのインターネット環境は購入時から付属していました。通信料金はマンションの管理費に含まれているので通信費に関してはあまり気にしていませんでした。

 マンションのインターネット環境を調べてみるとインターネット入口と各部屋とはHUBで接続されているだけであった。今更ですが、共用部ルータが、プライベートIPアドレスを自動的に割り振っている仕組み(DHCP)のようである。
 
 
 固定グローバルアドレスサービスを申請すれば、各戸に1つだけ割当て頂けることが分かった。しかも無料、これはラッキーと思いさっそく申請しました。固定グローバルアドレスは、申請したMACアドレスに自動的に割当てられるので、ルーターを用意してWAN側のMACアドレスを申請することにしました。
固定グローバルアドレスの登録通知が届いたところで、HUBをはずしルーターに交換しました。あとは、このルータの設定を変更することでポートフォワーディングが可能となります。
 


リモート運用の変更申請の確認


 IC-7300、IC-9700、IC-705の「専用線を利用したアマチュア局の無線設備の遠隔操作」について、当該工事設計書に添付する適合説明資料は、宅内リモート、宅外リモートで下記が必要となります。

IC-7300 宅内リモート:有線LANを利用
操作所側パーソナルコンピューター及び送信所側パーソナルコンピューターのそれぞれにRS-BA1(IPリモートコントロールソフトウェア)をインストールし運用する。
 

IC-7300 別宅リモート:インターネットを利用
操作所側パーソナルコンピューター及び送信所側パーソナルコンピューターのそれぞれにRS-BA1(IPリモートコントロールソフトウェア)をインストールし運用する。
 

IC-9700 宅内リモート:有線LANを利用/送信所はサーバーPCの機能が搭載されている無線機
操作所側パーソナルコンピューターにRS-BA1(IPリモートコントロールソフトウェア)をインストールし運用する。
 

IC-705 宅内リモート:無線LANを利用/送信所はサーバーPCの機能が搭載されている無線機
操作所側パーソナルコンピューターにRS-BA1(IPリモートコントロールソフトウェア)をインストールし運用する。
 

IC-9700/IC-705 別宅リモート:インターネットを利用/送信所はサーバーPCの機能が搭載されている無線機
操作所側パーソナルコンピューターにRS-BA1(IPリモートコントロールソフトウェア)をインストールし運用する。
 


無線局免許状の変更申請


 「専用線を利用したアマチュア局の無線設備の遠隔操作」について、当該工事設計書に添付する適合説明資料のサンプルをpdfファイルで参照出来ます。実際に変更申請で使用しました。
 ・リモート申請_IC7300_1_インターネットのサンプル
 ・リモート申請_IC7300_2_宅内有線LANのサンプル
 ・リモート申請_IC9700_1_インターネットのサンプル
 ・リモート申請_IC9700_2_宅内有線LANのサンプル
 ・リモート申請_IC705_1_インターネットのサンプル
 ・リモート申請_IC705_2_宅内無線LANのサンプル
 ・リモート申請_FTDX10_1_インターネットのサンプル
 ・リモート申請_FTDX10_2_宅内有線LANのサンプル