〜森 正夫の山歩き記録〜
第5回 奥秩父の山々(おくちちぶのやまやま)        2013.9.13〜14

 北奥千丈岳(2,601m)を最高峰とし、1都3県(東京・埼玉・山梨・長野)に跨る広大な山域を、正式には「秩父・多摩国立公園」というが、一般的にはその大部分を「奥秩父」と総称している。この中には、2,000mから2,600m級の山々が数多くあり、金峰山(2,599m)、甲武信岳(2,475m)、雲取山(2,017m)などの名峰を連ねている。甲武信岳は私たちに馴染み深い千曲川の源流域の山でもある。

金峰山から望む富士山 金峰山の五丈岩 金峰山から望む瑞牆山

 これらの山々は、標高こそ日本アルプスに及ばないが、長大なルート、奥深い山域からみて決して日本アルプスにひけをとるものではない。特に、豊かな植生をもつ森林や美しい渓谷などは、日本アルプスをしのぐのではないかとさえ思われる。

 私が少年期に父に連れられて歩いた山々の多くはこの山域にあり、これまでもっとも親しんだ所だ。東京や横浜に住んでいた頃は、交通の便が良く、暇をみつけては通いつめていた。かつて、金峰山から雁坂峠、雁坂峠から雲取山へと二度に分けて妻と縦走したことや、友人と東沢を登りつめて甲武信岳の頂上に立ったことなどは大切な思い出である。また、小学生の息子2人を伴って試みた最初のテント山行も、奥多摩駅から石尾根に入り、鷹ノ巣山を経て雲取山・飛竜山への縦走だった。

南アルプスを望む 朝日岳から金峰山を望む 八ヶ岳の全貌

 昨年9月久しぶりに金峰山と国師岳、北奥千丈岳に登り、懐かしさが増した。これらの山々は、かつては奥秩父のもっとも奥深いところで、たやすく行ける場所ではなかった。しかし、今では長野県と山梨県を結ぶ「川上牧丘林道」の完成で、大弛峠まで車で入ることができる。ここまで入れば国師岳と北奥千丈岳は目と鼻の先にあり、金峰山へは朝日岳(2,579m)を経由して5時間あれば往復可能だ。佐久からもそう遠くないので是非一度、この山深い美しい森林を訪ねることをおすすめしたい。


   <アクセス>
   ・国道141号から県道68号に入り、しなの川上駅方面に向う。
    秋山集落あたりから標識に従い廻り目平キャンプ場方面に右折する。
    キャンプ場手前の分岐点を左側に進むと、この道が「川上牧丘林道」となる。
    ただし、この道は想像を絶するほどの悪路で、RV車でもかなり苦労する。
    行く前には必ず道路状況の確認を。

   ・遠まわりになるが、山梨県側(牧丘)から入ると道は舗装されており、一般車でも難なく通行できる。




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