〜森 正夫の山歩き記録〜
第4回 子檀嶺岳(こまゆみだけ) 1,223m        2013.12.25

 上田市から国道143号線を通り青木村にさしかかると、踏み台を右斜めに傾けたような奇怪な形状をした山がデンと鎮座しているのが目に入る。これが子檀嶺岳だ。国道沿いから見た前面は岩の絶壁で、左右から頂上に向けて連なる尾根の対比がおもしろい。見るからに異形である。右から登れば「当郷管社コース」、左から登れば「村松西洞コース」となる。地元では、古くから信仰の山として崇められており、頂上には子檀嶺神社奥社の祠と石祠が祭られている。

 頂上からの展望は抜群で、夫神岳など周辺の山々をぐるっと見渡すことができる。特に晩秋から冬にかけては雪をかぶった白馬三山を中心とした北アルプス北部の山々がグンと近くに迫ってくる姿には目を見張る。また眼下には、青木村から塩田平の田園風景を遠望することができ、夜景を眺めたらさぞ美しいだろうと思われる。

 私が登った「村松西洞コース」は青木村役場の手前の道を右折し、集落をぬけて林道に至る。林道入口には鹿などの動物よけに、金網の扉が設置されているが、開閉は自由で、RV車なら車のまま登山口まで入っていける。路肩に2〜3台なら駐車可能である。

子壇嶺神社奥社 子壇嶺岳山頂 青木村から塩田平の風景

 登山道は整備されているが、かなりの急登で、雨の降った後や、雪が積もった時などは苦労する。私は12月末に登ったが残雪に加えて、雪の消えた道では霜がとけてぬかるんでいたため、下山時はすべって歩きにくいことこの上無かった。有雪期には軽アイゼンとストックは必携だろう。

 いつか登りたいと思いつつ、機会がなかった山だったので登頂後の満足感はひとしおで、次は「当郷管社コース」から登りたいと思っている。登山時期は、北アルプスが雪を冠った頂がおすすめだ。


補足
 2014年12月23日、当郷管社コースから登った。このところの降雪が重なってかなりの積雪だった。登山口で10cm程、高度を上げるにつれ深くなり、最終的には30cm以上あったと思われる。途中と頂上で地元の方2人と出会って話を聞いたところ、1月1日(正月)登山の下見に来たとの話であった。この登山は毎年行われているもので、地元の中学3年生を対象に高校受験の祈願と各々の進路への惜別のための行事とのこと。今年は雪が多いので、スコップで頂上の雪かきをされていた。当日は朝早く出発し、頂上で日の出を拝むとの話であった。

 信州では、今も小中学校で地元の山へ登る習慣が残っているところは多い。私の住む望月地区でも、小学校は蓼科山、中学校では硫黄岳(八ヶ岳)に登っている。すばらしいことだと思う。

 このコースは、前者と比べて距離は多少長いがゆったりとして歩きやすい。無雪期ならば、ハイキングコースとしても最適ではないかと思われた。

 この日は、天気は悪くなかったが遠方にモヤがかかり、残念ながら北アルプスを望むことはできなかったが、ゆったりとした静かな山歩きを楽しめた。


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