〜森 正夫の山歩き記録〜
第7回 岩菅山(いわすげやま) 2295m        2014.9.21

 岩菅山は、横手山(2304.9m)、笠ヶ岳(2075.8m)、志賀山(2035.5m)などと並んで志賀高原を代表する山のひとつである。志賀高原は昔から夏の避暑地として、また、冬場のスキー場としての開発が進み、ほとんどの山がホテル街やスキー場などに占拠されている。最高峰の横手山は、国道292号から動く歩道とゴンドラに乗って頂上にたどり着くことが可能だ。

 こうした中で、唯一、全く人の手が加えられていないのが岩菅山である。頂上からの眺望は抜群で、志賀高原を構成する多くの山々、また、浅間山、赤城山、裏岩菅山、苗場山などがその姿を現す。快晴に恵まれれば北アルプスや北信の山々だって望むことが可能だ。

 登山道は、主なルートが2ヶ所ある。ひとつは、眺望のきかない沢すじを急登する一ノ瀬登山口、今ひとつは発哺(ぽっぽ)温泉のスキー用ゴンドラで東館山(1994m)まで上り、そこから展望の良い尾根通しに歩く道である。私としては、距離が長く時間はかかるが後者をおすすめしたい。遠くに見える岩菅山を目標に、幾つもの小さなピークを登り降りしながら徐々に近づいていく、なんとも言えない期待と快感はそう味わえるものではないからだ。


寺子屋峰の先から岩菅山を見る
 ゴンドラを降りるとそこは高山植物園になっている。時間が許せば帰りにゆっくり見学するのも良いだろう。植物園を標識に従って降りると三叉路(林間スキー路)に至る。三本あるが、いちばん左の道を進むと間もなくスキーリフトが見える。リフトにそって広いゲレンデを登りつめた所が登山口だ。古い丸木の階段を登っていくと間もなく寺子屋山に着く。そこから寺子屋峰(赤石山分岐)を越えると、あとは小さなピークを幾つも越えながら展望の良い尾根道を岩菅山を目指す気持ちのよい歩きが始まる。右下には野反湖方面につらなる原生林が広々と続き、特に手つかずの魚野川源流の原生林がすばらしい。時間をとってゆっくりと眺めたい。一ノ瀬コースとの合流点がノッキリである。ここにはベンチが置かれているので、ひと休みし、頂上への急登にそなえる。あとは石ザレの道を登りつめると頂上に至る。帰りには転ばないよう注意が必要だ。

 頂上には一等三角点があり、大きな石笠の石祠が祭られ、石づくりの避難小屋とトイレが設置されている。十分眺望を楽しんだ後、帰りとなる。ゴンドラリフトの最終時間が16時10分(始動時間は8時30分)なので注意しよう。裏岩菅山(2337m)まで足をのばす場合は、一般のコースタイムで約8時間(岩菅山までなら約6時間)を要するため時間配分を心掛ける必要がある。帰りのコースは、一ノ瀬コースにすることも可能だが、それには配車をしておかなくてはならない。難しいところだ。

 ゴンドラリフトは動いている日と動かない日があるので事前の確認をお忘れなく。







   

ノッキリ手前から岩菅山頂上を遠望する



頂上から歩いてきた尾根を眺める

<アクセス>
   中野、草津方面どちらをとっても国道292号から標識に従い奥志賀方面に入る。
   発哺温泉へは同じく標識に従い、途中左折すれば自然とゴンドラ駅に着く。




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