〜森 正夫の山歩き記録〜
第11回 平尾富士(ひらおふじ) 1,155m                2014.10.24

 通称 平尾富士と呼ばれる平尾山は、佐久市民の憩いの森といった趣のある山であった。スキー場や昆虫館などの各種施設を併設した遊戯施設「パラダ」が麓にあることから、これまで足を踏み入れるのに躊躇していた。このような折、たまたま所用で佐久平へ出かけ、天気が良いのに3時間ばかりの空き時間が出来てしまい、時間つぶしのつもりで登ってみた。

 登ってみると、勝手な思い込みとは真逆の静かで自然豊かな山であることに驚き、これまでの偏見が恥ずかしく赤面の思いであった。

 登山口付近はスキーリフトがあり、パラダのスピーカーから流れてくる音楽が気になるが、しばらく歩けば音楽も耳に届かなくなり、気持ち良い登りが始まる。ただし、スキーシーズンになると、登山口がスキーリフトの中継地になっていて、郷愁の小路にそって富士浅間神社まで登っているので、うるさく感じられるかもしれない。登り下りのルートは幾すじもあり、また各々に○○の小径などと名称がつけられていて、案内板を見て迷ってしまう。
 どのコースを通っても深い森の中の森林浴を楽しむことができるが、おすすめは水辺の小径から忍耐の小径(多少の急登のため名づけられたのであろう)を経て山頂に至り、富士浅間神社から郷愁の小径を経て戻って来るコースである。どんなにゆっくり歩いても2時間程で歩け、各所で好展望に出合うことができる。頂上は広く、また10坪ほどの小屋が設置されていて、中に浅間神社の参拝所が設けられている。床は土足のままで入れるが板敷きになっており、シートと寝袋を持参すれば宿泊もできそうであった。(許可されているかどうかは不明)
 
浅間神社が祭られた山頂小屋 頂上から見た浅間山 頂上の石碑

 眺望は八ヶ岳、南佐久の山々、霧ヶ峰・美ヶ原、また、千曲川を挟む上田・坂城近辺の山々など南西に向けて240度近い山々が見渡せる。佐久平の街中に近い山頂から、これだけの景色を眺めることができるとは思いの外であった。今度は陽が落ちてからの夜影を雪の降る頃に見てみたいと思っている。


   <アクセス>
   パラダへ入る手前を「水辺の小径」の標識に従って左折し、道なりに登って行き、途中同じく標識どおり左斜めに急坂を登りきり、
   砂利道に変わると間もなく登山口に至る。
   周辺に自動車10台近く駐車できそうである。




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