岩手県花巻市矢沢の農学博士小原繁男さん(78)が自宅の庭で見つけた18枚の葉があるクローバー(シロツメクサ)が、 世界の最多記録として英ギネスブックからこのほど認定を受けた。
18葉のクローバーは2002年5月下旬、小原さん宅の庭先の鉢植えの中で発見された。
それまでの世界記録は、約100年前に欧州で発表された論文に16葉の記述があるほか、ギネスブックではアメリカのサウスダコダ州で発見された14枚が最多だった。
小原さんは1950年ごろから、多葉種クローバーに魅せられて以来、交配実験を続けていた。
01年には自宅の畑で16葉のクローバーを見つけて世界記録に並び、翌年、18枚葉を発見して、自らの記録を更新した。
今回は18葉を発見した直後にギネスブックへ記録の更新を申請。
今月10日に世界記録の認定証が届いた。
従来のギネス記録は米国で1975年に見つかったとされる14葉。
ギネス以外ではオーストリアの学者が04年発表の論文の中で、16葉のクローバー発見を報告している。
小原さんは51年に4葉以上の多葉が過半数を占める株を発見し、岩手県職員の傍ら、独学で研究を重ねてきた。
81年には30年間の研究論文が認められ、北海道大農学部から農学博士号を授与された。
小原さんによると、クローバーの株には(1)3つ葉だけ(2)4葉以上が過半数を占める(3)3つ葉に2葉か1葉のものが交じる―の3タイプある。
一株中の多葉の割合は季節によって変動し、5月下旬から6月上旬にかけて最も増える。
株が多葉性となる要因の7割は遺伝、3割は土壌中の養分や水分など環境だという。
小原さんは「身近な植物なのに奥が深い。多葉と少葉の株を交配したらどうなるかなど、研究テーマは尽きない」と話している。