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NIKON D70使用記                    

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2004年11月7日

D70は発売以来約6ヶ月で50万台も売れたという。カメラ誌、ネットなどあらゆる所で絶賛されているし、実際使ってみても、簡単明瞭な操作系、写りのよさ、10万円台という低価格から、売れているのも納得できる。
キャノンが圧倒的なシェアを誇るデジ一眼市場にニコンが殴りこみをかけたこのD70は、ニコンにとって久々の大ヒットカメラとなった。
D70を買ってから、これまでの撮影枚数は12,000枚を超えてしまった。さすがにこれだけ使ってみると、気になる点も出てきているので、ここでD70の使用感をまとめてみようと思う。

外観
いかにもニコンらしい質実剛健な作りで、ニコンのフィルム一眼レフの流れを汲むスタイルである点に好感がもてる。特にペンタ部のデザインは、エッジをきかせシャープに仕上げてあり、あのオリンパスOM-1にはかなわないが、なかなかの出来である。ただ、いかにも一眼レフだよっていうデザインは好みが分かれる所で、EOS派の人には受入れ難いデザインかも。大きさは、エントリークラスにしてはやや大きいものの、実際に持ってみると意外と軽く、グリップ部の大きさも程よく感じられる。構えてみると安定感があり、ホールディング性は良好である。
外観上の唯一の欠点はD70のエンブレムがあまりにチープな点位かな。 

レスポンス
D70のカタログを見ると、「起動時間0.2秒、3コマ/秒・144コマの高速連続撮影、高速・高精度なAFシステム」とある。
確かにこれまでのデジ一眼では、起動時間が2〜3秒もかかるものや、画像データの書込みに時間がかかり、数枚でバッファ待ちになるカメラが多いし、それらと比べるとすごいんだけど、フィルム一眼レフと比べると平凡というか普通の性能でしかない。 まあ、デジ一眼はD70でようやくフィルム一眼並になったということか。
3コマ/秒の連写スピードは、エントリークラスでは十分だと思う。運動会のかけっこなら問題なく撮れるが、本格的なスポーツ撮影にはちょっとツライ。個人的には5コマ/秒位は欲しい。

一見なかなかの連写性能の様だが、テイクバックからフォロースルーの間にもう1コマ欲しいよね

AF性能も精度は高いと思うが、決して高速とは言えない。キットレンズの様なAF-Sタイプだと速いが、これはレンズ側の性能であって、ボディー側モーターで駆動する従来型のAFレンズではエントリー機並のスピードである。
気になったのはシャッターのタイムラグで、たぶん0.2秒位だと思うのだが、どうも自分の感覚とズレがあって違和感を覚えた。例えば、野球のピッチャーのリリースポイントやバッターのインパクトの瞬間を撮ろうとすると、一呼吸早くシャッターを押さないと、タイミングが合わないのだ。これは相当練習しないとうまく行かない。 まあ、エントリークラスにそこまで求めるのは酷かもしれないが...

   なかなかインパクトの瞬間は難しい

操作系
ボタン配置、マルチセレクターなど操作感は良好。露出モードは電子ダイヤルの操作で選択できるなど、初めて使う人でも分かりやすい操作系だと思う。個人的にはあの複雑・難解と言われる操作系を持つ銀塩F70を使っていたので、特にそう思うのかもしれないが。
操作系での不満は、AF-SとAF-Cの切替えがメニュー項目内にあることで、私はこのモードを頻繁に切替えるのでとても煩わしく感じる。

バッテリー
バッテリーがやたらと持つのは驚いた。カタログでは約2,000枚とあるが、液晶モニターや内蔵ストロボをよく使っても1,000枚はいける。普通に使用するなら、これだけもてば十分といえる。ただバッテリーチェック表示が減りだしてから残量がなくなるまでが、あっという間なので、まめに充電するか、予備バッテリーは必要でしょう。
市販のCR-2電池(3本)を使うこともでき、いざという時には便利だが、CR-2電池は3本で約2,000円もするので、予備バッテリーを買った方が安上がりだと思う。

デジタルイメージプログラム
「デジタルイメージプログラム」といって、撮影シーンに合わせて、ホワイトバランス、カラーバランス、トーンコントロール、エッジの強弱などの各設定をカメラが最適にコントロールして撮影できる機能が搭載された。「オート」、「ポートレート」、「風景」、「クローズアップ」、「スポーツ」、「夜景」、「夜景ポートレート」の7つのモードから選択でき、撮影者はISO感度と画質モードと画像サイズだけを選択すればよいのだが、これは色々考えずに気軽に撮る時は便利だ。エントリーユーザーはまず、これをつかえばほぼ満足な写真が撮れる筈である。
ただし、ほとんどのモードでオートフォーカスが、至近優先ダイナミックモードになってしまう。至近優先ダイナミックモードとは、5つのフォーカスエリアのうち、1番手前にある被写体に重なっているフォーカスエリアを使用してピントを自動で合わせる機能なのだが、どうも撮影者の意志に反した動きをすることが多く、逆に使いづらいと思う。メニュー画面で変更は可能なのだが、ダイアルを切替えると初期設定になってしまうのは残念である。更に露出補正ができないので、F70同様使われることのない機能となりそうだ。


仕上がり設定
デジタルイメージプログラムを使わない場合、マルチプログラムオート(P)、シャッター優先オート(S)、絞り優先オート(A)、マニュアル(M)の各露出モードで撮影することになるが、デジタルイメージプログラムとは異なり、デジタルプロセシングの部分を好みに応じて設定し、画像を仕上げることができる。「標準」「鮮やか」「シャープに」「ソフトに」「ダイレクトプリント」「人物きれい」「風景きれい」を選択すると、輪郭(シャープネス)、コントラスト、色再現、彩度、色相の各項目を最適な状態で設定可能。また「カスタマイズ」を選択すると、撮影意図に合わせて、項目ごとに個別に設定することもできる。今のところ、「風景きれい」がお気に入り。

付属ソフト
D70には、Picture Projectというソフトが付いているが、これがなかなか動作が重く、使いづらい。結局、ニコンのホームぺージからNikon Viewをダウンロードして使っている。このソフトは画像管理ソフトとしては、良く出来ていて、使っていて不満はない。一応、RAWデータの現像もできる(Picture Projectもできる)し、何より表示が速いのでイライラすることがない。PhotoShop並のレタッチ機能があれば申し分ないのだが。
RAW画像を本格的に使うなら、Nikon Capture4(別売)が必要なのだが、我家のパソコン環境ではとても使える状況になく、当面はNikon Viewでがまんするしかない。


D70の不満な点
ケーブルレリーズが使えないのは、最初から分かっていた事とはいえ残念だ。かわりにリモコンML-L3(別売り)が使えるのだが、このリモコンがまたひどい。定価2100円もするのに、ボタン1つあるだけの簡素なもの。しかもキーホルダーなどをつける穴すらないのだからあきれる。 こんなの100円ショップにでも売ってそう。
さらに、リモコン受光部がカメラの前面にしかないのも使いづらい。三脚を立てて風景なんか撮る時は、左手での操作となるので違和感がある。おそらく風景撮る人の事なんか考慮していないのだろう。

液晶モニターでの画像再生はレスポンスよく、サクサク切り替わるので不満ないが、拡大再生では最大で4.7倍しか拡大できないので、ピントのチェックができない。せめて10倍まであればと思う。

シャッター音が安っぽい。これはクラスを考えれば、仕方ないか...

撮像素子のゴミ問題 これを解決しているのは、オリンパス位で、ニコンはNC‐4でのイメージダストオフとか、クリーニングキットの販売など、全く対策を立てていないわけではないが、早く根本的な対策を立てて欲しい。せっかくの一眼レフなのに、気軽にレンズ交換をすることが出来ないのは、ちょっと問題だ。

ストロボがi-TTLになり、調光性能がアップしたのはよいが、SB-28がTTLで使えないのは厳しい。内蔵ストロボ以外でi-TTLを使うにはSB-800かSB-600を新たに買わなければならないが、そんなに余裕はないので、当面は外部調光を使うしかない。せめて簡易TTLでも使えれば有難いのだが....


まだ細かな不満点はあるが、大方がまんできるレベルだし、エントリーモデルにしては多機能で奥深いカメラで、どちらかと言うと中級機に近いものを感じる。写りもフィルム並の水準にあり、(厳密にはまだフィルムにはかなわないが)値段を考えると十分満足できるカメラだと思う。


2004年12月5日        ニコン新宿サービスセンター

娘と2人で東京へ遊びに行った。色々と目的があったのだが、まず戸山公園で紅葉を撮影、その後新宿のサービスセンターへ行き、CCDのクリーニングとバージョンアップ、AFの精度の点検をしてもらった。日曜日ということで、混んでいるらしく、1時間半もかかった。地方に住む人にとっては、頻繁に東京まで行ける訳ではないので、キタムラなどでクリーニングが出来る体制をとってもらいたい。

あと、F6にも触れてきた。外観はペンタ部が大きく、ちょっと不恰好であるが、ニコンのフィルム一眼レフのフラッグシップ機だけに、剛性感が高く、シャッターを切る感触なんか感動もの。D70のそれが安っぽく感じられる。ファインダーが大きく、見やすいのにも驚いた。これならピント合わせも容易である。さすがプロ仕様。


2005年1月30日  

今年は雪が多い。新年早々雪かきに追われ、ついでにかまくらを作ってしまった。
いつもなら、この時期は寒いのであまり写真は撮らないのだが、今年は色々撮ってます。
下の写真は左から かまくら、雪の善光寺、峰の原のカラマツ
    

撮影累計 13,735枚

2005年2月11日  第2回長野灯明まつり

長野灯明まつりとは、98年の長野オリンピックの開催を記念して始まった祭りです。この祭りの一環として善光寺が五輪にちなんだ五色の光でライトアップされます。3年続けて来ていますが、D70で撮るのは初めて。写真はこちら

撮影累計 14,067枚

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