ある日の夕方のことでした。
妻がとんでもないことを言い出したのです。

サイドカーで犬吠埼から上る朝日を見に行こうよ。

日本で一番早くあがる朝日なのよ!

えぇっ!正気か?冬だぜ。

めぐりあい・空

着膨れて突撃編

厚着して行きましょ!
あのなー。
バイクってのは厚着すればいいってもんじゃないんだぞ!

着膨れまめ知識「風は巨大な敵!」

どんなに厚着をしても、冬のバイクに乗ればたちまち寒い。必ず「風を通さない」ものを着なくてはならない。首や手首から進入する風にも要注意。バイク専用の物はその辺考えてくれているので、値段とデザインが気に入ればそれが無難。また、やみ雲に厚着するとバイクから降りた途端に暑くて汗ばむなんて事も。

楽しみだな!民宿はすでに予約してあるわよ。

え?ホントに?予約って・・・いつ?

明日よ!

なんだとーっ!

民宿まめ知識「シーズンオフ」

シーズンオフの民宿はすんなり予約できることが多いからねらい目よ。週間天気予報で好天を確認してからでも予約できちゃったりするわ。冬のバイク旅での悪天候はシャレにならない・・・でも、だからといってあんまり直前に予約するのは無礼かな?

早起きしてね。おやすみ!ぐぅ。

おい!うわぁ!俺は明日の仕度をしなくちゃ!

俺は寒がりだから、半端な装備じゃ死んでしまうよ!

変身!
フルアーマー・寒がりライダー

★上着

アメ横で買ったんだけど、最近は似たのをよく見かける。見た目はかなり温かそうに見えるが、バイクに乗るとまるで寒い。風が生地を貫通してしまうのだ。大げさなフードもまったく無意味。


そこで、その下にはこのインナー風のジャケットを選択。内側に着るので薄いほうがいいし、首周りがすっきりしているほうがいい。立ち寄ってラーメンなど食べるときは上を一枚脱いでコレの姿になる。渋谷のアーミーショップで購入。


このままだと首周りから風がじゃんじゃん入ってくるので、これで防御する。これも渋谷のアーミーショップで購入。


その下にはアンダーウェア。バイク専用のものも試したいが、高価なのでちょっと手が出ない。ユニクロで十分だろ!

★ズボン

これも風を防ぐことがポイント。アメ横で買った軍用オーバーパンツ。黒いデニムパンツはヒザから太ももにかけてデニム生地が2重になっている。バイク専用品ではないが、バイク乗りにはぴったり。船橋のららぽーとで購入。


ユニクロでルームウェアとして売っているもの。実は女性用。すそが適度に短いので、びろろーんとはみ出さない。ももひきとして使うなら女性用がおすすめ。靴下は厚手の登山用のものを選んだ。

★グローブ

グローブだけはバイク専用で防寒・防水・透湿の物を選んだ。車と違い、クラッチ、ブレーキなど、指先の操作が重要なのだ。寒さでかじかんでしまっては危険!下にはホームセンターに売っている綿手。防寒と言うより汗対策。手首からの風を防ぐリストバンドはスポーツ用品店で手に入る。

★ウェストバッグ

実はこれ、防寒の効果が高いのだ。腰の辺から進入してくる風を食い止めてくれる。もちろん小物入れとしてもかなり便利。

そして、朝。

どうだ!寒くないぜ!(もこもこ)
他人のふり・・・
それじゃー突撃だ!
おー!


こうして二人は寒い中、
高速道路に突撃していきました。

サイドカーまめ知識「高速道路二人乗り」

バイクの高速道路二人乗りは法律で禁止されている。でも、サイドカーは二人乗りをしてもOK!もちろん、絶対安全なわけではないので、心して立ち向かおう。現在、二人乗り解禁の動きがある。へんてこな規制の緩和は歓迎するが、事故など増えないことを祈るばかりである。


早速パーキングエリアに退散する。
どうしたの?
やっぱり寒いよ〜!袖から風が入る!
ふふ。所詮はファッションウェアね。
寒くないの?
私には大きな風防がついているから平気よ。
くそー!


側車側にだけは大きな風防(風除け)が付いている。
そのせいだと思うんだけど、

高速道路では常に右側にハンドルを取られる。
ハンドルを押さえ続けていたので、たちまち筋肉痛になった。
くそー。今度は外してやる。


高速を降りて一安心。ふぅ。日も高くなり、寒さも和らいだ。
おなかすいたじょ!
おっと!お昼の時間だな。よーし!何か食べて温まろう!
やったぁ!


そしてついたのが「鈴女(すずめ)」。
銚子市役所の近くにある。
地元でも評判のお店らしく、行列が出来ていた。
慌てつつもサイドカーを路肩に停め、ロックをする。

サイドカーまめ知識「荷物が心配」

バイク旅の場合は車と違って、ちょっと離れるときの荷物が心配。もちろん貴重品などおいていくはずないんだけど、やっぱり心配。サイドカーも、トランクはあるけど二人分の荷物をつめるほどではないの。でも、側車の中に放り込んでカバーをすれば、バイクよりはマシね。万全を期すなら、さらにワイヤーロックを使うなどの工夫が必要だわ。あとはキムタクよろしく「グッドラック!」とでも唱えましょう。


ほぉ?「ジパングツーリング」という雑誌で
紹介されたらしいぜ?
それ見てきたくせに。


たくさん食べとけ。じゃあその「あなご煮焼き丼」と
「いわしかばやき丼」と・・・「あんこうあら汁」。

ほう!おいしゅうございます!
行列になるのも無理ないわね。

壁のメニューを見てどうしても食べたくなりあとから頼んだ
「山形牛すじ煮こみ」

ぎゃー!気が狂いそうなほどうまい!

そういえば最近、肉料理を与えていなかったわ・・・

ここで食べ過ぎたことが、夜に悲劇を生む事になるとは
知るよしもない二人であった。


あっ!灯台見えたよ。


犬吠埼灯台に到着。この灯台はレンガで出来ている。


みんなが見ているような気が・・・気のせいか。
っていうか写真撮っているわよ。
うへー!うっかり変なものを置いておけないな。

やっぱりサイドカーはみんな珍しがって見に来る。
特に年配の男性から声をかけられる事がとても多い。
みなさん「もうちょっと若ければ乗りたいなぁ」と言う。
年配の方にこそ似合う乗り物だと思うのだが。


その犬吠埼から少し離れた場所にある
本日のお宿「民宿喜久家(きくや)」には早めに到着。
鶏やウコッケイがいたが近づいたら逃げた。
そして、待ちに待った晩御飯♪



うわぁ!料理がどっさり!
え!こんなにあるの・・・?


うれしいな〜♪
がつがつ!むしゃむしゃ!もりもり!

しかし、昼飯にたらふく食いまくった二人の胃袋は、
すでにグロッキーだった。最後にどうしても天ぷらを残してしまった。

もうぱっつんぱっつん。

苦しみながら就寝した二人。天ぷらさんごめんなさい。

そして、朝。早起きして海辺へ急ぐ。


うおーっ!これが日本で一番早くあがる朝日か。
来年の年賀状の写真はコレで決まりね。


朝ごはんをいただいて民宿を後にする。
鶏を飼っているだけあって生卵が新鮮だった。
これで一泊二食付き6500円は十分満足。
天ぷらの供養もかねて、ぜひもう一度リベンジしたい。
(このとき残した天ぷらが出てきたりして)


やっぱり海はいいわねぇ。
ってゆーかまた迷子になった…


飯岡刑部岬展望館から見る九十九里浜。
九十九里浜は地図で見ると見事に長い砂浜だが、
走ってみてもその長い砂浜が見えつづけるわけでもないので、
結構退屈だったりする。この展望台から一望しておこう。
無料でっせ。


矢吹ジョーと力石徹の石像があるのはなんでだろ〜う♪
漫画家のちばてつやが育った町なんだって!
へぇ〜へぇ〜(似てねぇ〜ぞ!特にジョーが!)


R126を成東方面に進む。
ちょっと道は混雑気味。
昨日に引き続き好天に恵まれ、ぽかぽかしてきた。
途中、道がこれであっているのか不安になる。
でも!大丈夫。
俺は方向音痴だから、妻にカーナビを持たせてあるのだ。
バイクの二人乗りではこうは行くまい!
おーい!道はこれでいいのかっ!
・・・(眠)。
やれやれ。妻はぐぅぐぅと寝てしまった。
バイクの二人乗りだとコレは転落の恐れがあるのだが、
その辺サイドカーは安心だ。

夫☆☆☆★★妻
そんな妻にぴったりのラーメン屋を見つけた。
「ぐぅラーメン」は、東金市田間のR126沿いにある。
わぁい!ラーメン!
わっ!においで起きた!

夫☆☆☆★★妻
おお。醤油ラーメンとはこのラーメンのことだ!
とでも言いたげな真っ黒けスープ。
溜まり醤油の香りが冷えた体にガツンだ。
長ネギと共にしゃりしゃりタマネギも入っている。
それにこのどっさり入ったチャーシュー、
うーまーいーぞー!!

ラーメンまめ知識「豚骨もあるでよ!」

夫☆☆☆★★★★妻 夫☆☆☆★★★★妻

まるえいラーメン

「ぐぅラーメン」と同じくR126にある。細いストレート麺に濃厚なスープの長浜系本格とんこつ。カレーや手羽先といったサブメニューも充実しているので、食いしんぼライダーは全メニューを食べ尽くせ!博多名物「替え玉」も出来る!

 


白子町の特産品がそろう「味のなかむら」は、
白子町の温泉ホテル街の中にひっそりとある。
観光地の土産物屋とはちょっと違う鋭い品揃え。
おみやげは千葉産のピーナツクリームを選んだ。
きっと美味しいぞ〜。
でもこんなにたくさん食べれるかなぁ?

ちょっと渋滞気味の高速道路に乗り込む。
高速が渋滞していてほっとしたりして。
おかげで行きほどは寒くないよ。


そして、料金所。
混雑している料金所のセオリーとして、
「バイクの後ろにつくな」という鉄則がある。
ライダーはグローブをはずしたりつけたり
財布を取り出したりしまったり・・・
とにかくやることがいっぱいあるからだ。
セオリーを守り、後ろにつかない自動車のみなさん。
まぁ!失礼ぶっこいちゃうわね!
そうさ!このサイドカーはバイクと違って
妻という優秀なパッセンジャーがいるのだ。
軽やかに通過だぜ。ほら料金所だ!頼んだぞ!
あら!ハイウェイカードの残金が足りなかった!
どうしよう!財布が出てこない〜(パニック)
・・・・

そして、明るいうちに自宅に到着した二人であった。
暗くなると一気に寒くなるもんね。

一泊二日の旅だったけど、
車だったらもっとたくさんの場所に立ち寄れただろう。
では、車で行けばよかっただろうか?いやいや。とんでもない。
うっとおしい移動時間が冒険時間に変わってしまう。
そんな「魔力」がサイドカーにはあるのだ。

おまけ

ピーナツクリームに合いそうなコッペパン買ってきたよ。
ああっ!
ごちそうさま!

九十九里で買ったピーナツクリームはあっという間に終わってしまった。

おしまい!