伊那市福島と南箕輪村北殿を結ぶ村道2号線に架かる
全長93.5mの鉄筋コンクリート連続桁橋
昭和9年竣工と長い歴史を持つ
管理者;南箕輪村長
山なみに水と緑がはえるまち ・・・市内を南北に「天竜川」、東西に「三峰川」が流れ、
ここには特徴ある数多くの橋が架けられ、まほらな里の市民生活と密接な関係を創りあげています。
編者の想い入れ強い幼少体験を原点に、市内に架かる橋を紹介します
・・・ 技術データー協力 : 国土交通省天竜川上流河川事務所
天竜川の想い出
・編者が育った土地は市内東春近です。殿島橋の少し下流、地域では最も天竜川に近く、
毎日天竜川の流れを見聞きして育ちました。
・私の幼少時代には4年に1回の周期で天竜川の氾濫があり、その度に水害が発生し、
僅かばかりの耕作地はその都度濁流に流され復旧作業が行われていました。
・親父やお袋は復旧工事のトロッコ押しやモッコ担ぎの日雇いで働き、子供らは下校後、
夕餉の支度や家の雑用を義務付けられていた記憶が鮮明に残っております。
・また、天竜川は幼い頃の遊び場でもあり、フルチン(真っ裸)?!での水泳、魚のうろ掴み、
カガシラ釣り、振り万灯、対岸学童との川を挟んだ石投げ(喧嘩)等々、想い出は尽き
ません。
・現在は三峰川沿岸に居を構え、地域のインフォーマル組織・・「三峰川を愛する会(代表:白鳥
清氏)」の一員として、アレチウリ駆除や下藪伐採・河川清掃に参画しております。
これも幼少時代の天竜川や三峰川をこよなく愛した体験が原点だと思います。
・画面上でクリックし、拡大してご覧下さい
1.天竜橋
2.明神橋
伊那市野底と南箕輪村田畑を結ぶ市道野底・田畑線に
架かる全長110mの鉄筋コンクリートローゼ桁橋
昭和37年竣工、JR飯田線田畑駅に近く利便性が高い
3.新水神橋
市内上牧・御園間の市道水神橋線を結ぶ
全長99.2mの連続非合成鈑
桁橋、竣工は昭和61年
老朽・狭溢した水神橋の上流に建設された
4.水神橋
市道山寺・上牧線に架かる全長101.0mの鉄筋コンクリートローゼ桁橋
昭和28年竣工だが大型車通行は不可能、
老朽も激しく新水神橋建設につながった
5.二条橋
伊那市中央区と山寺を結ぶ市道二条線に架かる
全長72.0mのプレストレストコンクリート橋
昭和3年竣工の旧橋を昭和51年に架け替える
市中心部に架かる交通量の多い橋である
6.伊那大橋
国道361号に架かる市内中心部の中央区と入舟を結ぶ
全長86.5mのコンクリートゲルバーT桁橋、
竣工は昭和8年だが改修を重ね現橋となる、
橋袂には史跡・天竜川船着場があり入舟の町名の由来でもある
7.中央橋
伊那市中央区と荒井を結ぶ市道中央線に架かる全長67.0mのPC桁橋、
昭和35年竣工
JR飯田線伊那市駅、中心市街地に通じ、近年交通量が増大
橋右岸からの南Alps眺望は絶景
8.桜(さくら)橋
伊那市狐島と荒井を結ぶ市道荒井・狐島線に架かる
全長73.2mの連続鋼箱桁橋、
昭和50年竣工かっての木造旧橋にはファンが多い
JR伊那市駅に通じる貴重な橋
9.毛見橋
市道日影・沢度線に架かり伊那市狐島と西町沢を結ぶ
全長111.0mの連続鋼桁橋、竣工は昭和47年
コンクリート製の旧橋は水害による橋脚陥没の記憶が生々しい
10.平成大橋
市道環状南線(通称ナイスロード)に架かり、伊那市下新田と
西町を結ぶ全長124.0mの連続非合成鈑桁橋
竣工は平成5年、新市役所・仙丈ケ岳との調和も素晴らしい
11.春近大橋
伊那市渡場と唐木(トウノキ)を結ぶ、県道沢渡・高遠線に架かる
全長300.0mのボステンPC単純T桁+連続PC箱桁橋
平成3年竣工、直ぐ下流にある殿島橋の老朽化に替わる大型架橋
12.殿島橋
・この橋には特別熱い想い入れがある。
・物心ついた頃から親と、兄弟と、友人と、そして恋人と・・・。草履履きで、下駄で、ズックで、長靴
で、運動靴で、革靴で・・・。徒歩で、荷車で、リヤカーで、自転車で、乗合バスで、バイクで、自動
二輪車で、自家用車で渡った橋だ。
・家のお使いで、自転車の荷台に小麦粒を入れた一斗缶を括り付け、対岸(西春近)の穀物屋に
物々交換によく行かされた。交換品は決まって”素麺”。当時これが我が家の主食であった。
・上流に春近大橋が完成し、殿島橋は撤去の憂き目にあったが地元の強い運動が実り自転車・歩
道橋として今なお健在である。謝々!!手許に記念カレンダー「殿島橋今昔」がある。
・幼少時代の殿島橋はデッカイ橋で梅雨時の水量の多い時期には恐々渡った事を憶えている。
・生家を出て早や40数年、この橋を眺めるたびにノスタルジアが募るのは私だけだろうか?!
県道沢度・高遠線に架かり伊那市渡場と沢渡を結ぶ
全長213.5mの鉄筋コンクリートゲルバー橋、
竣工は昭和11年,、現在は自転車・歩行者専用橋で
通学・地域をつなぐ利用者が多い
13.竜東橋
伊那市六軒屋と境を結ぶ主要地方道伊那・生田飯田線の
三峰川に架かる全長208.0mの単純合成桁橋
現橋は昭和48年竣工、三峰川最下流の橋、
右岸を走るナイスロード開通により交通量は増大した
14.三峰川橋 ・ 15.新三峰川橋
・現在、三峰川橋は新三峰川橋に代替わりすべく工事中で通行は不可能であり、新橋完成後
の平成16年度末には撤去された
・新橋は県道西伊那線改修の一環として現橋の直ぐ上流に建設され既に運用されている
総事業費は15億3千万円、全長216.1m・全巾11.5m・車道6.5m・歩道3.5mでナイスロードのサイクリ
ングロードにつながる。連続PCT桁橋、平成17年5月竣工
・高遠町押し出しと伊那市上大島を結ぶ市内三峰川に架かる2本の橋のひとつで最上流にある。
旧橋は全長205.6m、鉄筋コンクリートゲルバー橋で昭和38年竣工
県道西伊那線の開通により花の高遠町・南Alpsの長谷村を結ぶ大動脈である
・新橋の欄干(下流側)には地域の先達や、三峰川の長い闘いの歴史や、知恵や、文化を伝
えるモチーフが設置されており一読の価値がある。下記写真にてご理解下さい。
・川は、橋は、沿岸住民の生活に直結した文化資産です。
天竜川では左岸のR153・JR飯田線と、三峰川では高遠線(R361)と結びついた,、
何れも沿岸住民の長い歴史に培われた地域文化そのものでしょう。
この貴重な資産を絶やす事無く継承する事が我々に課せられた責務ではないでしょうか。
愛する天竜川、三峰川、愛する橋!!
ご愛読ありがとうございました。
まほら伊那の橋
※H18年豪雨災害により
沢渡側橋脚(Photo奥)を
流失.。 架け替え工事が
決定した。