第2回 平成18年8月4日

住 所 長野県北佐久郡立科町芦田字中宮地
家 族 夫 小此木克浩さん(48歳)
妻 小此木典子さん(44歳)
小此木亮純くん(小6) 小此木菜直ちゃん(小3)
敷地面積 1421u(429.85坪)
田舎暮らしの形態 平成15年9月に土地の契約をし、新築。
16年4月より移住。
夫 克浩さんは埼玉県川口市で仕事をしているため、
単身赴任中。週末は家族と一緒に過ごしている。
妻 典子さんは自宅の前の畑で有機野菜農業をしている。


 「結婚当初から食べ物に対して気をつけていたんです。子供が生まれて、子供に安全なものを食べさせてあげたくて。」と語る典子さん。有機野菜は埼玉県に住んでいた頃から買っていたけど高い上になかなか手に入らない、そんな実情から抜け出したいという思いが今の田舎暮らしに繋がっているという。

 2〜3年前から田舎暮らしをしたいと思い、何件か見て回った。その時に見た立科町の里の景色のすばらしさに心打たれたという。こんなすばらしい所に住みたいと思い、土地の購入を決めた。

 気に入ったのは里の景色だけでなく、有機野菜を作るための場所を確保するにも最適だと思ったからだ。この畑を作る前は桑畑があったそうだが、草が伸び放題で荒れ果てていた。普通、有機野菜を作るには、土作りから始まり、その土作りに3〜5年という長い歳月がかかるという。だが、この場所は農薬を使っていた畑ではなかったため、荒れている土地を耕すだけで有機野菜を作る土壌に再生できると知ったからだった。生命力のある野菜を作るには生命力溢れる土壌を作ることが必須。そのため、機械はなるべく使わない。ミミズや蛙、ムカデなどの虫たちも生きている土壌に住む生き物だからだ。有機野菜栽培は思った以上に大変な作業だ。その中で生まれる有機野菜は生命力にあふれているから、これを小さい時から食べて育った子供は病気をしにくい体になるという。

 その甲斐あってか、今ではタマネギ、トマト、インゲン、スイカ、ジャガイモ、ナス、トウモロコシ、キュウリ、メロン等を栽培しており、年に4〜5回は関東に住む友人に売ったり、譲ったりしている。

 とはいえ、始めは溶け込めるかどうか不安もあった、と話す典子さん。けれど、引越しして来る時、新築の家に引越しトラックが入って来たらすぐに地元の人が来て歓迎してくれた。特にこの地方は子供が少ないので、本当に喜ばれた。子供がいけないことをしていると、近所の大人がきちんと叱ってくれる。このような「地域全体が子供を育てる」という昔ながらの生活にも魅力を感じるという。

 「ここは埼玉県川口市から2〜3時間だから便利で良い」と話す克浩さん。そうはいっても、典子さんのこれからの目標は「家族全員一緒に暮らすこと」と「ニワトリを飼うこと」。やっぱり家族は一緒が一番。「ここでの暮らしはとても満足しているけど、皆一緒ならもっと良いよね」と少し寂しそうに話す典子さん。これから一緒に暮らすためには克浩さんの転職という難関が待っている。何でも良いなら選ばずにあるけど、これから子供たちが大きくなっていくから、転職が一番大変かもしれない、と話す克浩さん。

 田舎暮らしを始めて2年が経った。振り返ってみて、田舎暮らしには「目的」が必要、と話す典子さん。定年退職して田舎暮らしをするのと違って、家族全員が住む場所や学校、生活スタイルを変えるという、いわば博打のようなもの。きちんとした目的がなければくじけそうになるのも当然。有機野菜を作る、体に良いものを食べる、良い環境で子供を育てる、この目的があったから、ここで頑張れた。これからもっと有機野菜の規模を大きくしていくつもり、と話す典子さん。

 活き活きとした生活や食べ物の中で、活き活きと暮らすためには―――。それは私を含めた皆全員に対して向けられた課題なのだと思った。

自慢の有機野菜たっぷりの食卓。一緒に頂きましたが、とてもおいしかったです。




ウッドデッキにはタマネギがずらり。良い土壌で育ったタマネギは切ると目がすごく痛くなるそうです。




「庭でキャッチボールができるなんて昔からの夢だったのよ」と典子さん。
ご飯の用意ができたらすぐに呼びに行けるのも嬉しいとのこと。

小此木さん、ご協力ありがとうございました!



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