※ 平嬢の市街地で真っ先に目につくのは高層の住宅用アパート群であるが、そのアパートには日本で見られるような洗濯物や布団を窓際に出して乾す風景にお目にかからないことである。この点について質問したところ、はっきりとは言わなかったが、建物の窓のところに必ず見られるベランダの高さより上に出してはいけないという規制があるらしいということであった。
もう一つは市内に電柱が見当たらないことである。これは電力は各地で夫々調達すること及び電線は地下埋設にするという金日成の指導であるということからきているようである。事実、我々が行くことの出来た地域では市内を蜘蛛の巣のように張り巡らされている電線を見た記憶はない。
街の美観には大いに貢献はしているが、一方費用がかかりしかも老朽化して更新するときの費用がまた莫大となる。老朽化した地下埋電線は漏電率は大きくなり、全国的な送電線がないため電力の需給にアンバランスが生じ、伝えられる電力不足の一因ともなっているのであると思われる。
それはともかく、地上からは殆ど観察出来ないが、各ビルの屋上から屋上に電線が渡されているのを発見した。この電線だけで各住宅の電力を供給出来るのか、あるいは地下埋送電線の補助手段として存在するのか、疑問の残るところである。
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