定款を必ず見直しましょう!  結局は定款変更をしなくてはいけない?  特例有限会社から株式会社へ
会社法によって、施行後に会社を設立する場合は「会社設立の手続」の通りですが、では、既存の会社はどうなるのでしょうか?

少しややこしいのですが、会社法の施行によって、旧法による「株式会社」と「有限会社」は廃止されて、双方とも新しい「株式会社」となりました。「有限会社」も「株式会社」とみなされるのです。
これらは、いわゆる「整備法」という法律で経過措置がとられ、従来の「有限会社」は「特例有限会社」とよばれます。
また、大多数の会社は「原則、特段の手続は不要」ということになっていています。
会社法により変更されたことは、根本的なことから表記の変更などの細かな部分までありますが、当面は「みなし」や「読替え」などによって措置するからです。

つまり、法律によって従来の「○○○とする」は「△△△とする」というように読み替えたり、定款に記載がないことでも「○○○とする」とみなしたりするのです。
しかし、本当に何もしなくてよいのでしょうか?
実務上では、そうもいっていられないことが多々あるようです。


また、最低資本金の規制が無くなり、取締役が1人でも株式会社が設立できるのですから「特例有限会社」から名実ともに「株式会社」に変更したいという要望も当然あります。

そのどちらの場合でも、まず最初にすることは定款の見直しです。
定款の見直しするポイントは大きく分けて次の2つとなります。
1)定款自治の活用

会社法の大きな特徴として、定款自治が広く認められるようになったことが挙げられます。
旧来は法律により規制されていたことも、自社の実態に合った内容にできるようにもなりました。

取締役や監査役の設置や任期についても自由度が増し、定款によって実態に沿うように変更できます。また、議決要件の変更なども可能です。

定款のどこを直したら、企業経営に有利になるのか…。プラスに活用するように見直しをしましょう。
2)用語の変更・みなし規定

会社法により、営業年度=事業年度 利益の配当=剰余金の配当 など、用語の整理や変更が行われています。定款中に使用されている場合は修正の必要が出てきます。

また、定款中に記載がないものなどには、みなし規定が適用されます。
たとえば、株券は「発行しない」旨の記載がない限りは「株券を発行する」とみなされます。これらのみなし規定が実態に合っているかどうかを確認する必要があります。
「みなし」や「読替え」などによって、当面「特段の手続」は必要ないわけですが、一方、「整備法」には「定款の備置き及び閲覧等に関する特則」という条項があります。

それによると、株主や債権者から定款の閲覧請求や謄本・抄本の交付の請求を受けたときには、「定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない」とあります。要するに、定款に記載されていないことは「みなし規定でこうなってます」と示さなくてはならないのです。
また、法定以外でも金融機関や行政機関から定款の提示を求められる場面は少なくありません。
そんなとき、会社法に合致しない定款を提示したり、用語変更やみなし規定部分を付箋や別用紙を添付した状態で提出するのでは、会社の信頼度という点で疑問符がつきかねません。

結局は会社法に合致した定款にする必要があるようです
用語変更やみなし規定は定款変更決議は不要とされていますが、総合的に見直し、株主総会の機会を捉えて、定款変更することをおすすめします。
旧「有限会社」は「特例有限会社」として、会社法上は「株式会社」とみなされます。
しかし「有限会社○○○○」が「株式会社○○○○」となるわけではありません。あくまでも「みなされる」だけで、商号としては従来の「有限会社○○○○」を名乗らなくてはいけないのです。

そこで、今まで資本金や機関設計の点で、やむなく有限会社となっていた場合やこれを機会に株式会社を名乗りたいなど、株式会社に移行したいという要望が多数でてきています。
では、その手順はどのようにしたらよいのでしょうか?
整備法による特例有限会社から株式会社への変更は次のようになっています。

  1. 株主(社員)総会により社名変更の定款変更を決議します
  2. 決議から、本店所在地において2週間以内(支店所在地・3週間以内)に当該特例有限会社の解散登記と商号変更後の「株式会社」の設立登記を行います。
ただし、特例有限会社から株式会社へ移行する場合、必ずしもメリットばかりではないので、その点は検討が必要です。

特例有限会社のままでいるメリットとしては、主に次のようなことが考えられます。
  1. 役員の任期が無制限
  2. 決算公告の義務がない
  3. みなし解散がない
代表者の印鑑届も改めて行い、印鑑カードの交付も新たに申請する必要があります。
また、当然のことながら登記には登録免許税がかかります。

しかし「有限会社」とつく商号はどんどん少なくなっていくことは間違いないので、必ず検討をすることをおすすめします。
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