〜森 正夫の山歩き記録〜
第2回 角間山(かくまさん) 1,980.3m        2013.11.30

 浅間山の北東、湯の丸山の後方にひっそりと佇んでいるのが角間山だ。1980.3mの堂々とした山容で、隣の湯の丸山と比べても決して引けをとらない。それにもかかわらずどうも目立たない。立ち位置が悪いのかも知れない。

 しかし、頂上からの眺望のすばらしさには目を見張る。谷川岳まで見渡せる360度の大展望はもとより、眼下には菅平高原から嬬恋村の野菜畑がぐるりと見渡せる。反対側を向けば真正面に黒斑山をデンと据え、右側に兄貴分の湯の丸山を従え、左前方には主峰浅間山が噴煙を巻き上げている。篭ノ登山から池の平外隣山が右側に続き、奥には奥秩父の山々が重なり、その上に富士山がくっきりと顔を出している。ここから見る富士と山並との調和は、ため息が出るほどの美しさがある。まさしく浅間連山大展望台なのだ。浅間山群の中での立ち位置の悪さが、逆に展望台としての舞台を与えてくれたのだろう。

 登るにはいくつかのルートが考えられるが、交通の便を考えれば鹿沢温泉口がお勧めだ。しかしこの道は木材の抜採で林道と登山道がズタズタにされていて、歩きづらい。現状では、標識も不明瞭で、ヘタをすると行ったり来たりを余儀なくされる。私が歩いた経験では、左斜面にそった作業道を左側・左側へと道を選んで登っていくと小一時間で登山道にたどりつく。角間温泉からの道は廃道になっているので注意。

 帰りには鹿沢温泉の1軒宿「紅葉館(もみじかん)」の湯につかれば身体が和む。紅葉館の「入浴・もりそばセット1100円」がおすすめだ。

奥秩父の上に富士山が頂を出す 頂上と奥に四阿山(あづまやさん) 北アルプスを遠望する

補足
 2014年12月10日、雪が降った後、あのすばらしい景色が見たくて再び登った。予報では暖かく、天気も良いとのことであったが、気温は上がらず雲が多かった。ただ、運良く高曇りのため眺望は抜群で、周囲の雪景色のすばらしさは格別であった。
 
 登山口から角間峠までは20cmから25cm程の積雪で、1人か2人の踏跡がついていたが、その先100mぐらい登ったとことから引き返してしまったようで、先は踏跡のない真白な雪原が高みへと続いていた。

 この幸運に感謝し、足をふみ出した。高度上げるにつれ、雪は深くなり、吹きだまりでは40cm程あっただろうか。途中から鹿やウサギなどの足跡が多く出てきて、カモシカの大きな足跡が頂上まで続き、私をガイドしてくれた。多くの動物の足跡が無雪期の登山道の上にいくつもついていた。動物たちも歩きやすい所を知っているのだろう。

 この山は、アプローチが簡単である上、冬期の入山者が多い隣の湯ノ丸山や烏帽子岳と違って、静かな雪山を楽しむことが出来そうだ。


   <アクセス>
   国道18号線から東御市「別府」交叉点の標識「湯の丸高原」に従う。地蔵峠を越えて下り、
   鹿沢温泉手前の標識を見落とさずに。
   標識通り左折して少し登ると右側に廃業したホテルがある。その空地に車をとめさせて頂くと良い。




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